翡翠(かわせみ)

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この翡翠の俳画は、簡潔な筆致の中に静寂と緊張感が同居する気韻生動の世界を湛えています。長く鋭い嘴と引き締まった体躯は最小限の線で捉えられ、余白を活かした構成が翡翠特有の俊敏さと水辺の静けさを同時に想起させます。頭部の黄褐色と胴の墨色の対比は、写実ではなく象徴性を重視した俳画ならではの色処理であり、背景の淡い青の刷毛目が水面の気配を抽象的に示し、画面に清涼な空気をもたらしています。左側の題字は画面の重心を支え、作品全体に格調を与えています。翡翠の佇まいを通して、自然の一瞬を切り取る俳画の精神が端正に表現された一幅です。